アンサンブルの練習で取り組んでいる「ルネ王の暖炉」という曲について、調べたことや演奏するうえで意識したいと思ったことなどまとめてみる。
第7曲まであり、全部演奏すると12分くらい。今回は一部抜粋で練習している。
曲の背景
フランス人作曲家、ダリウス・ミヨー(1892-1974)作曲。もともと映画音楽として作ったもの(1939年作)を木管五重奏用に編曲したもの。
元の映画では、中世の愛の物語を描くシーンで使われていたらしい。
「ルネ王の暖炉」とは、プロヴァンスの避寒地のこと。寒い冬でも日があたり、15世紀の領主ルネ王が好んで訪れたその場所を「ルネ王の暖炉」と呼ぶようになった…というのが由来。
ほっとするような温かい雰囲気と、中世プロヴァンスの町の穏やかな情景を描いている。
難易度はかなり高い。旋律はオーボエが担当することが多くて結構美味しい。フルートは音が低い(オーボエより低いところも普通にある)けれど、フルート特有の輪郭がぼわぼわした温かい低音は、この曲の雰囲気にぴったりなんじゃないかなと思う。
楽章ごとの紹介・好きポイントなど
行列
騎馬行列のイメージ。

冒頭の旋律は、おとぎ話の読み聞かせが始まりそうな雰囲気があってとっても好き。フレーズの切れ目をぶつ切りにせず、伸びやかな音が鳴るように息の入れ方を工夫したい。
細かい跳躍を真面目に吹こうとすると、音の方向性がてんでばらばらになる感じがしたので、
跳躍以外の音を大きな一本道としてとらえて、外れた部分は軽く拾いにいく(100%鳴らせてなくても別にいい)ような雰囲気にした方が歌っているように聞こえると思った。
終盤に出てくる連符は音が高く、音によって鳴りムラがある(Hi Cは細くなりがちで音が小さくなるが、HiHi Eは甲高い音ででかくなりがち)のが課題。息のコントロールしかなさそう。
最後の和音はD(D・F♯・A・D)ファゴットと同じ根音なのでファゴットの音程に合わせる。
ヴァラブルでの狩り
古城での狩りの情景を描いた曲で、ピッコロが登場する。
中世の貴族が遊びでやっている狩りみたいなイメージ。馬に乗って、獲物を探したり、風を切って走ったり…。
ずっと吹きっぱなしで息継ぎポイントを見失うと死にかけるので、練習して慣れたいと思う。
連符がもたつくと、吹き抜ける風感がなくてださくなる気がするのでさらりと吹きたい。指回ってなくても顔だけでもさらりと感を出すつもり。
リズムが取りづらい連符が出てくるが、6連符+次に来る1音 単位でさらって最終的につなげて吹く用に練習したらだいぶ掴めた気がする。
最後の和音はC。(C・C・G・E・C)
ひねりのないスタンダードな3和音ですっきりした響き。オーボエは第3音なので低めをねらう。
マドリガル・ノクターン
14世紀にイタリアで栄えた牧歌的叙情短詩。また、それにつけられた2〜3声部の歌曲。
ということらしい。
ノクターンは夜想曲という意味なので、合わせると叙情的な夜の歌、くらいの意味かな?
中世の夜なので、ランプの灯る酒場で談笑している人もいれば、暖炉に集まって家族団らんしている人もいたり、ろうそくの明かりの下で静かに本を読んでいる人もいれば、月明かりの下で子守歌を歌っている人もいたり…みたいなイメージをもっている。
石畳の道を歩いていて、それぞれの過ごす夜の灯りやざわめきが漏れてきて、静かに夜は更けていく、みたいなのを楽器を使って表現できるといいなと思っている。
この楽章では一番高いFの音が出てくる。つんざくような金切り声みたいな音になってしまうのだが、夜の穏やかな情景に悲鳴が響いたら穏やかじゃなくなってしまうので、余裕ですけど何か?みたいな感じで音を出したい。
途中に出てくる、細かくて♭が大量についている音型は、ちょっと3拍子を感じて民族舞踊のようだなと思う。先にあげたイメージの話でいうと、酒場で談笑しながら思い思いに楽器を鳴らしたり、社交ダンスを踊っているような感じ。どんちゃん騒ぎではなくしっぽりした感じ。
装飾音符は強調せずにさらっと吹きたい。ぶつぶつとぎれずに1本の糸でつながっているような吹き方になるよう心掛けると、ダンスが止まることなく続いている感じになるかと思う。また、個人的解釈としてはここはあくまで裏メロで、主旋律はフルートとクラリネットなのではないかと思っている。
最後の和音はF(F・F・A・C・F)。ホルンとファゴットのFとオーボエのFでサンドイッチしている感じで、穏やかな終わりの雰囲気。