amslの日記

日々の記録。日記/料理/オーボエ/お出かけなど

熊本城とか、美術館とか、あか牛丼とか【プチ旅行記】

まず初めに、台風10号で被害に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。

所用で熊本にいたところ、台風直撃して帰りの交通手段を失う羽目に。
土曜日まで延泊して、簡単に市内観光をしました。

10時にチェックアウト後、熊本県立美術館~熊本城を徒歩でめぐり、14時頃にバスで空港へ移動、空港であか牛丼を食べました。

熊本県立美術館(10:30~12:30滞在)

桜町バスターミナル近くのホテルを出て、20分ほど歩いて到着。台風一過の快晴で外の移動はなかなか暑かったです。

こんな感じの建物

フロアマップ

「細川・美術館コレクション」展に入場。280円でした。
そんなに人もいなくてゆっくり見れました。


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一部展示は撮影可。キャプションのSNS投稿はNG。

気に入った作品の感想

細川家が所蔵していた品をメインに、美術館が新しく収蔵した作品や、修復した作品が展示されていました。甲冑からピカソの絵画までジャンルが雑多でしたが、刀関係の展示が多めな印象。

当時の足利将軍から細川家に向けて送られた「8/27に中国地方へ出陣するから加勢よろ!」という趣旨のお手紙。

8/25に書かれていて、支度にかかる時間を考えると1日で手紙がつくのかな?とか、京都から熊本まで1日で配達する人、すごい脚力では?とか、想像を掻き立てられました。

 

 

写真不可だったのでうろ覚えのイラストで。
林又七《桜九曜紋透鐔》江戸前期(17世紀) 永青文庫

桜と九曜(細川家の家紋で、太陽マークみたいな水玉)のすかしが交互に入ったデザイン。とにかくデザインがかわいくて、見ていてときめきました。

延寿国幸《脇指 銘延壽國幸 行年七十七歳》

刃文(白い模様)がゆらゆらと華やかに全体に広がっているの、分かるかな…。
こういうのを皆焼(ひたつら)というらしいです。
なんか水垢みたいと思ってしまうので、個人的には刃文がまっすぐな方が好みです。

《脇指 無銘 号「彫貫盛光」》

好みのタイプの刀。まっすぐで黒く輝き、剛健な感じがかっこいい。
俱利伽羅龍ってよく刀に彫られているけど、だいたい同じ模様な気がします。型とかあるんだろうか?

《肥後梅花皮鮫鞘刀拵》江戸後期(19世紀)出田コレクション 熊本県立美術館蔵

エイの皮から作られた拵です。
梅花皮と書いて「かいらぎ」と読み、露出した鮫皮(実際はエイ皮)の白い粒が梅の花に見えるので、こう呼ぶとのこと。

頭の中で、刀とエイが関連のあるものとして結びついてなかったので、物珍しくて面白かったです。
漆でコーティングしてあるらしいのでつるつるしてるのかな?

大塚耕二《出発》1936年 熊本県立美術館蔵

くり抜かれた紙の蝶が青緑色の空に飛び立っていく絵画。作者の大塚耕二は熊本出身で、本作品は帰郷した際に発表した作品です。

地方の美術館は、ただ有名な絵を収集するだけでなく、地元にゆかりがあって、地元の文化にとって価値のあるものも収集・保存していくという責務があるのだな、と気づきました。

何かこれ見おぼえあるぞ!?と思ったのが《初年兵哀歌(歩哨)》

www.momat.go.jp

近代美術館行ったときに見た気がします。版画なのでこちらの美術館にも刷られて収蔵されているのかな。

表情や雰囲気が暗く絶望に満ちていて、見ているだけで悲しくなる画だったので覚えていました。

この方の作品は大きく膨らんだ胴体から足だけが生えている遺体がよく描かれていて、作者自身が戦時下で見てきたものが色濃く反映されている、という解説を読みました。グロテスクでインパクトがあるので、好きではないけど頭にこびりつきました。

カフェでおやつ

お腹が空きましたがこの後あか牛丼を食べたいので、美術館併設のカフェで軽くおやつをいただきました。

ブラウニーと珈琲ジュレ、ホットコーヒー

1,000円でした。
レモンのような香りのするお冷が美味しかったです。

熊本城(12:30~13:30滞在)

入園券は800円。熊本城の近くに行くにも入園券が必要です。

人はまあまあいましたが、窮屈さは感じないくらい。

城の中

階を登っていくにつれて時代が進んでいく展示でした。壁全面に文字が入っていたり、プロジェクターでジオラマに光を当てながら解説するコーナーがあったり、かなり見せ方に工夫を凝らしている印象。時間の都合でさらっとしか見れなかったのが少し名残惜しかったです。

天守閣では熊本市街地を眺められます。そこまで見晴らしが良いわけではないですが、四方を山に囲まれているようすがよく見えました。

城の外

熊本城とミスト

黒い壁に白い瓦の風貌がクール。暑かったのでミストにあたって涼みました。

石垣

左が小天守、右が大天守

天守の方が石垣の角度がなだらか。解説を読むと、大天守:重箱積みで石の形がバラバラ、小天守:算木積みで石の形が整っている らしいですが、個人的には違いがよくわからなかったです。

震災の爪痕について

地震で崩れ、モルタルで養生された石垣と、崩れたままの建物(数寄屋丸)

天守閣は2021年に復興してピカピカですが、他の建物や石垣には地震の崩落の後が残っており、被害の大きさを感じました。

あか牛丼

市内観光を切り上げ、空港保安検査場通過後のフードコートにやってきました。

お目当てのあか牛丼屋さんと、空港内フードコートのようす

あか牛丼!2290円

やわらかくも弾力があるお肉で、卵やしょうゆベースのたれとからめて、わさびをつけて食べると最高に美味しかったです。

その他

熊本城石垣置き場

赤で書き込んだところ、何かの模様みたい

美術館の近くに石材置き場がありました。謎の模様が入った石材が熊本地震で見つかったそうで、ゴロンと転がっていました。

バスターミナルのようす

桜町バスターミナル

商業施設直結で利用しやすかったです。飲食街の中心部までも地下通路で気軽に行けるので、雨の日も移動しやすそう。

空港のようす

展望デッキに行ってみました。保安検査場通過したらここには入れなさそう。こじんまりしたデッキでした。

あとは、大きなお土産物屋など、だいたいの施設が保安検査場通過後のエリアにあって、逆に保安検査場の手前のエリアにはお店が少ない印象です。

かかった費用

美術館:230円
カフェ:1,000円
熊本城:800円
あか牛丼:2,290円

合計:4,320円

全体の感想

久しぶりに一人旅できてとても楽しかったです。

効率を考えず、好きなように歩いたりできるし、周りの風景を眺めながら物思いにふけったり、美術品をじっくり観察して、感じたことをどう言語化するか考えたりするのも楽しいです。

ちなみのこの日は2万歩近く歩いていましたが、楽しく歩けたからか帰り道もとても元気でした。