amslの日記

日々の記録。日記/料理/オーボエ/お出かけなど

2025年7-9月の読書記録

尾崎放哉 編者:池内紀『尾崎放哉句集』2007 岩波書店

詳細は別記事に書いた。

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しみじみ良いなと思える句が多くて癒された。

ジョージ・ガモフ著 伏見康治訳『不思議の国のトムキンス[復刻版]』2016

量子物理学版もしドラ。(もしドラはだいぶ昔のヒット本で、ドラッガー著『マネジメント』の解説ラノベです)

夢パートと解説パートが交互に出てくる構成。

夢パートでは、主人公のトムキンスが、物理法則(例えば光の速さなど)が極端なことになっている世界の夢を見る。その世界で、量子物理学的には正しいけど、物理パラメータが狂っている故にへんてこに見える事象を目の当たりにする。(例えば、自転車をこいでいる人がひらべったく見えたり、電車に乗っていると老化のスピードが落ちたり、ビリヤードの球を突いたら何股にも軌道が分かれたり)

解説パートでは物理学の教授が出てきて、夢パートで起こった事象について量子物理学の観点からトムキンスに解説をしてくれる。

何とか完読したが、正直あまり理解できた気がしない。解説パートで公式が出てきた瞬間眠くなってしまって困った。私にはまだ相対性理論は早かったようだ。

富野由悠季『だから僕は… ガンダムへの道』2002年 角川書店

ガンダムの生みの親、富野由悠季監督の自伝。もともと1981年に出版されたようなので、Zガンダムが作られていない頃に書かれたもののようだ。

若い頃はひたすらに仕事量をこなしていたのだなと思った。

フランツ・カフカ著 編訳:頭木弘樹『絶望名人カフカの人生論』2011年 飛鳥新社

『変身』で有名なフランツ・カフカの日記や手紙の内容を紹介している本。「絶望」を切り口にカフカの文を引用して、編者が解説を加えるという構成になっていた。

解説の文章が軽やかで、するする読めた。カフカがネガティブで生きづらそう過ぎてかなり気の毒。

ミルクのコップを口のところに持ち上げるのさえ怖くなります。

そのコップが、目の前で砕け散り、破片が顔に飛んでくることも起きないとは限らないからです。

―ミレナへの手紙―

これとかほんと心配性すぎる。車乗る時とか、極端な「かもしれない運転」で大変なことになってそう。

共感できる内容もあった。

幸福になるための、完璧な方法がひとつだけある。

それは、

自己のなかにある確固たるものを信じ、

しかもそれを磨くための努力をしないことである。

―罪、苦悩、希望、真実の道についての考察―

編者が『山月記』を引用しながら解説していて理解が深まったのだけど、自分に才能があると信じながらもそれを極めずそのままにしておくことで、自分に才能がないと思い知らされることもなく自尊心を守れる、というのは、ちょっと思い当たる節があって身につまされる思いがした。

頭木弘樹編『うんこ文学ー漏らす悲しみを知っている人のための17の物語』2023 筑摩書房

タイトルのインパクトにやられて読んだ。うんこについて書かれた小説・エッセイ・漫画をまとめたアンソロジー

すごくしっくりくる比喩表現を使ってくる文章がとても好きなのだが、このエッセイはそんな比喩表現がたくさんあって、読んでいてすごく楽しかった。

例えば、超巨大な便意が来たと思ったら大したことがなかったときの以下の表現がすごく好き。

十六両編成の新幹線だと思っていたら、田舎の在来線二両と、あとはただの雰囲気だけだったのである

主人公がコレラの無症状保菌者で、菌をばらまく行動をしたせいで東京中で大流行してしまった、という内容を主人公視点で記録した小説。

下痢を漏らす描写が生々しすぎてひいた。匂いまで漂ってくる感じがして引用するのも憚られたので、興味ある人は読んでみてください。その場に居合わせたら私だったら即刻立ち去ってしまうな…。

検疫を通り抜けて来た国外の人から感染が広がり、無症状感染者からパンデミックが広がっていく過程の描写がコロナ禍と重なって、予言というと大げさだが、現実で小説を再現することがあるんだなと何とも言えない気持ちになった。

最後に、主人公はカミュの『ペスト』と比べても自分の記録の方が面白いと自画自賛し、以下のように締める。

哲学さえつけ加わっているし、しかも、よりカラフルであり、さらに音響効果も満点で……。

うるさいよ!

文の内容というより、糞土師を名乗って野糞をしまくっている著者の生き様が衝撃的だった。世の中には色んな人がいらっしゃる。

四季折々の草木を愛で、鳥や虫の音に浸り、風の薫りに包まれながらする排便は、身も心もとろけるような至福のひとときだ。

ちょっと野糞楽しそうで、実家の犬が外で排泄したがるのってこういう季節の移ろいを感じながらの排泄が楽しいからなのかなと思った。