昨年も訪問した五美大展、今年も行ってきました。
昨年の記事↓
入場無料で、個性爆発の色々な作品を沢山見られるのが美大卒展の楽しいところ。今回は2時間半くらいで回れました。最終日に滑り込みで見に行ったので、目録は在庫切れてました。
印象に残った作品を紹介します。
女子美術大学 洋画専攻/版画 孫 暁鈺《存在している》デジタルプリント 90×60cm
レンチキュラー印刷を使った作品。見る角度によって絵が変わるので感心しながら絵の前をうろうろしていました。昔お菓子におまけでついてるカードとかで、こういうのあったなあ!と懐かしい気持ちになりました。
女子美術大学 洋画専攻/版画 周 可《ひきあう》木版画 123×45.5cm
キャプション読んだ感じ、人との距離感がテーマっぽい。
根っこ(自分のパーソナルスペース的な?)からは手を放さずにぶら下がって、慎重に下(相手)に向かって手を伸ばす人と、
上(相手)に向かってぽんと飛び上がりつつ、(根っこも打ち上げ台みたいな形になっている)飛んだ距離が高くなりすぎないようにして様子を伺う人とで、
お互いの上下の絵を侵食しない範囲で距離を保っている、みたいな印象を受けました。
ぼんやりした淡い色使いで曖昧な印象も受けて、すごく綺麗。会場では他にも水性木版の展示があって、そちらもぼんやりした色合いとはっきりした輪郭とで不思議な印象を受けました。
女子美術大学 洋画専攻/絵画 水野 海依《イヌのこころ》油彩・キャンパス 162×130.3cm 立体・羊毛フェルト・ウレタンフォーム 55×43×55cm
キャプション読んだ感じ亡くなったペットを描いたのかなあと思います。自分の絵を眺める立体わんこの後ろ姿に何とも言えない哀愁があって心がきゅっとなりました。
正面の顔は退屈であくびをしているようにも見えました。かわいいね。
女子美術大学 洋画専攻/絵画 永野 裕美《ONE DAY(とある日)》映像・ピクセルアート 可変
ドット絵の動きがめちゃくちゃかわいい。温かい色使いで癒されました。
女子美術大学 美術教育専攻 野村 明日香《在るために》油彩・キャンバス 162×194cm
毛のやわらかい質感とか、うるうるのお目目とか、じんわりした体温が伝わってきそうな作品で素敵だと思いました。
実家の犬に似てる。こういうポーズ、犬ってよくするよね…。
全体の感想
まとめてて気づきましたが、女子美術大学の作品ばっかり写真撮ってました。大学ごとでも作風って変わるのかな…。作品の説明書きが添えられているのも女子美術大学の作品が一番多かった気がして、人に見られるということを意識した、わかりやすさや快さ重視の作品が多いような印象があります。
一方で好みではないので写真は撮ってないけど、臓器がモチーフだったりぐちゃぐちゃした色使いだったりグロテスク寄りだったりで、自分の心の中の混沌とした何かを表現していそうな、独り言に近いような印象の作品もいっぱいありました。
自分はうまく理解したいと思ってしまう性質の人間だからか、内向きな作品よりは外向きな作品の方が親しみやすいというか、鑑賞しやすい感じがして好ましく思うところがあります。もちろん内向きな作品も刺さる人には刺さると思うので、このあたりは好みの問題かな。今年も楽しめました。